司法書士のお仕事

【司法書士って何?】                 ・
 みなさま、司法書士、と聞いて何をしている人なのか答えられますか?

    行政書士なら聞いたことあるぞ、とか、司法だから弁護士っぽいの?とか。はたまた、図書館で働いている人?(司書さんのことです。)なんてのもあるかもしれませんね。
 実際私も、司法書士になって間もないころ、友人から多く聞かれるのは「ところで司法書士って何?」でした。それほど認知度は低い職業です。
  テレビなどで弁護士さんを取り扱ったドラマは多くあります。行政書士さんを主人公にしたドラマもヒットしました。でも司法書士を取り扱ったドラマはあまり聞いたことがありません。なぜでしょう?
 それは、司法書士のお仕事は平和産業サービスであるといえるからです。多くの司法書士事務所は,登記業務を中心にしている事務所がほとんどです。登記業務は、家を買ったから不動産に名義を入れたい。住宅ローンを返済したから担保を消してほしい。おじいちゃんが亡くなったから相続の手続きをしてほしい。会社を設立するから会社の登記をしてほしい。など、特段、争い事ではありません。だからドラマにしてもちっとも面白くないのです。買主さんと売主さんが握手をしているシーンを見て感動する人はあまりいませんよね。 


【司法書士のお仕事】                 ・
  では、みなさまと司法書士との接点はどこにあるのでしょうか?

  まず、会社を経営されている社長さんは、司法書士と関わったことのある方がほとんどではないでしょうか。先程も申し上げました会社の設立の時点で司法書士に登記の依頼をしているからです。また役員さんの任期の更新の登記もありますよね。
  また、一般の方が不動産を取得することもあります。その際、銀行で何やら書類を一生懸命チェックしている人がいませんでしたか?その人こそ司法書士です。そして、一生の買い物である不動産のケンリショには必ずと言ってよいほど司法書士の名前が書いてあります。(余談ですが、現在の登記識別情報には書いてありません。司法書士としては寂しいと感じます。)
 また、司法書士は相続手続きのプロフェッショナルと言っても過言ではありません。人の死亡率は100%です。相続は誰でもいつかは必ずやってくることです。相続人の調査から遺産分割協議書の作成、相続放棄、遺留分減殺請求、特別受益の算定など込み入った法律の知識・手続きに精通しています。また、遺言書についても最近は認知されてきました。一昔前に比べて、遺言書を用意する人が増えています。その際注意することを守らないとその遺言書は無効になってしまうこともあります。そんな時は司法書士が、きっと良きアドバイザーとなります。
  また、平成15年より簡易裁判所においての訴訟代理権が認められるようになり(ただし法務大臣より認定を受けた司法書士に限ります)、訴訟の目的物が140万円を超えない請求事件(民事事件のみ)については弁護士さんと同等の権利が与えられています。140万円なんて少ないように感じますが、普段、生活をしている方のトラブルって結構この範囲に当てはまる事件なのです。 



司法書士は身近な法律家】              ・            

  今申し上げました内容は、司法書士のお仕事としては、まだほんの一部ですが、会社を経営されている方はもちろん、普段の生活をされているみなさまにとって、司法書士との接点が、案外存在することにお気付き頂けましたでしょうか。
そして最も声を大にして言いたいことは、「みなさまの財産を保全するためのアドバイザーこそ司法書士なのだ、ということです。 」 弁護士さんが総合病院だとしたら、司法書士は掛かりつけ医、そんな身近な法律家が司法書士です。